抜けるような青空と、海のにおい。その中に、サーフショップ&カフェ「SUNRISE」は佇む。

オーナーであるWさんは、夫婦と子供2人の4人家族。独立を機に店舗を建てることとなり、スタジオ・チッタに白羽の矢が立った。

店舗は、暮らしの場であると同時に「生業」の場でもある。

そのため採算性や作業スペースとしての機能といった、住宅とはまた違った面でのこだわりが要求される。

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「SUNRISE」の場合、ボードをシェイプする作業場やシャワールームなど、求められる要素は特殊だった。

かつ、センスに敏感なユーザーが集まる特性上、見た目の印象は非常に重要。

Wさんの希望であるナチュラルなテイストを大切に、「木」の持つあたたかみをメインに構成した。

素材の表情を活かした梁に吹き抜けの天井、そして洗練された鉄骨階段が、個性を際立たせながらもゆったりとしたリラックス感を醸し出している。


道路に面して大きく開かれたオープンなつくりは、青空に映える白い外壁と相まって、人の目を惹き付ける。

付近には同業であるサーフショップは多いが、その中にあってなお記憶に残りやすく、来店のきっかけとなる店構えが実現した。

これらの要素が完成に至るまでの間には、コストをぎりぎりまで調整し、活かすところ、削ぐところを決断する場面が何度もあった。

Wさんと担当者は、そんなやりとりの中で「一緒に乗り切る」という感覚を持ったという。

数えきれない打ち合わせを繰り返し完成したこの店に、Wさんは大満足している。

そして、街の顔として輝くこの白い店は、オーナーであるWさんだけではなく自分にとっても誇りだと、担当者は語る。